2026年 小学校中学年の課題図書4冊──どれが読書感想文を書きやすい?
▶ YouTubeで見る2026年 小学校中学年の課題図書4冊 どれが感想文を書きやすい?2026年、小学校中学年の課題図書はこの4冊です。
- 『まだまだここから』
- 『それからぼくはひとりで歩く』
- 『おいしいお米をつくりたい!』
- 『宇宙でウンチ』
……最後の一冊、タイトルの力が強いですね。本棚に並んでいたら、たぶん最初に手に取ります。
さて。どの本にもそれぞれ魅力がありますが、「読みやすい本」と「感想文を書きやすい本」は、少し違います。
読書感想文が苦手なお子さんほど、実は書き始める前の本選びがとても大切です。
この記事では「どんな子に合うか」「どんな感想文に広げやすいか」「迷ったときはどれか」の3つの視点で見ていきます。
1. 『まだまだここから』
主人公は、スイミングをがんばっている小学生の蓮。
特訓生になるチャンスをつかんだと思ったのに、選ばれたのは、自分ではなく弟でした。
がんばったのに、選ばれない。努力したのに、結果が出ない。
運動でも勉強でも習い事でも、「自分なりにがんばったのに、うまくいかなかった」という経験は、多くの子どもにあります。だからこの本は、感想文の入口を見つけやすいのです。
感想文の中心になる問い
がんばったことは、結果が出なければ、むだなのか
自分の経験とつなげやすい
- 「ぼくも、がんばったのに選ばれなかったことがあります」
- 「わたしも、弟や友達と比べて、くやしくなったことがあります」
- 「失敗したら、今までの努力が全部むだに思えてしまう気持ちが分かりました」
読書感想文で大切なのは、本の出来事を順番に説明することではありません。その本を読んで、自分の気持ちや考えがどんなふうに動いたのかを書くことです。
どんな子に向いているか
習い事やスポーツをがんばっている子。負けずぎらいな子。くやしい気持ちを、うまく言葉にできない子です。
2. 『それからぼくはひとりで歩く』
主人公は、目の見えない少年ハイメ。ある放課後、はじめて一人でバスに乗ることになります。
大人から見ると「バスに乗るだけ」と思うかもしれません。でもハイメにとっては、小さく見えて、とても大きな冒険です。
この本のよさは、「見えない世界」を、ただ大変でかわいそうなものとして描いていないところです。
音や気配。失敗したときの不安。できたときのよろこび。そうした一つ一つを通して、ハイメの毎日を一人の子どもの日常として感じることができます。
⚠️ こう書くと、もったいない
「目が見えなくて大変だと思いました」
これだけで終わると、本を読んで分かったことの説明になってしまいます。
感想を広げるなら、こんな方向です。
- 「自分には当たり前のことでも、だれかにとっては大きな挑戦かもしれない」
- 「自分も、はじめて一人で何かをしたとき、不安だった」
- 「助けることと、見守ることは、同じではないのかもしれない」
どんな子に向いているか
物語をじっくり読める子。人の気持ちを考えるのが好きな子。「自立」や「勇気」について考えてみたい子です。
4冊の中では、書きやすさだけで言えば少しむずかしめです。でも、その子の経験や興味とうまく重なれば、いちばん心に残る一冊になるかもしれません。
3. 『おいしいお米をつくりたい!』
農家の人に弟子入りして、米づくりに取り組む子どもの本です。
田植え。草取り。虫。そして、台風。
私たちがいつも食べているお米の後ろには、たくさんの手間や工夫があります。
この本のよさは、毎日の生活ととてもつながりやすいところです。 ご飯を食べたことがない子は、ほとんどいません。でも、そのお米がどんな人の手で、どんなふうに作られているのかまで考えたことのある子は、少ないかもしれません。
⚠️ こう書くと、もったいない
「米づくりは大変だと分かりました」
この本は、主人公の気持ちを追うというより、米づくりの大変さやおもしろさを知るタイプの本です。そのため、感想文が「分かりました」で終わりやすいのです。
そこからもう一歩。
- 「それを知って、自分の食べ方はどう変わりそうか」
- 「家の人が作ってくれるご飯や、給食の見方は変わったか」
- 「自分が米づくりをするなら、どの作業が大変だと思うか」
ここまで考えられると、知ったことが、その子自身の感想になります。
どんな子に向いているか
食べ物に興味がある子。理科や社会が好きな子。物語よりも、写真や事実から考えるのが得意な子です。
夏休みに、家でご飯を食べながら話し合うのにも向いています。「この一粒ができるまで、どれくらいかかったんだろうね」——そんな会話から、感想文の種が見つかるかもしれません。
4. 『宇宙でウンチ』
……やはり、タイトルの存在感がすごいですね。子どもたちもこの題名を見たら、「えっ、宇宙でどうするの?」と気になると思います。
でもこの本は、ただ笑って楽しむだけの本ではありません。
宇宙飛行士は、無重力の宇宙でどうやってトイレを使うのか。宇宙で生活するためには、どんな技術や工夫が必要なのか。そうしたことを知ることができる科学絵本です。
「気になる!」から入れるのが強み
読書感想文が苦手な子は、「まじめそうな本を選ばなければいけない」と思ってしまうことがあります。
でも、本を読む入口は「なんだこれ?」「ちょっと見てみたい」でもいいんです。むしろ、その好奇心はとても大切です。
⚠️ こう書くと、もったいない
「宇宙でウンチをするのがおもしろかったです」
最初の感想としては大切です。でもそこから、
- 「なぜ、そんな研究が必要なのか」
- 「人間が宇宙で暮らすとは、どういうことなのか」
- 「宇宙のトイレと、私たちの生活には、どんなつながりがあるのか」
と考えていくと、おもしろさが、しっかりした感想に育っていきます。
どんな子に向いているか
宇宙や科学が好きな子。おもしろい題材なら本を読んでみようと思える子。分かったことを、さらに調べるのが好きな子です。
4冊の中で、いちばん子どもの最初の反応がよさそうなのは、この本かもしれません。
では、どれが書きやすい?
| こんな子には | この本 |
|---|---|
| 迷ったら/自分の経験とつなげたい | まだまだここから |
| 読書が苦手/まず興味をもたせたい | 宇宙でウンチ |
| 食べ物や毎日の生活とつなげたい | おいしいお米をつくりたい! |
| じっくり考える感想文を書きたい | それからぼくはひとりで歩く |
読書感想文でいちばん大切なのは、「立派な本」を選ぶことではありません。
その子が「自分にも似たことがあった」「今まで知らなかった」「読む前と少し考えが変わった」と思える本を選ぶことです。
その子の経験や興味とつながる本なら、感想文の材料は自然と見つかりやすくなります。
読み終わったあとに聞く、3つの質問
| 質問 | 引き出せるもの |
|---|---|
| 「どの場面が、いちばん心に残った?」 | 感想文の中心になる場面 |
| 「自分だったら、どうする?」 | その子自身の考え |
| 「読む前と読んだあとで、考えは変わった?」 | 読書を通した変化 |
すぐに立派な答えが返ってこなくても大丈夫です。
「おもしろかった」「びっくりした」「なんか、いやだった」——そんな短い一言も、その子だけの感想文につながる大切な種です。焦らず、少しずつ話を聞いてあげてください。
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