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『銀河鉄道の夜』銀河鉄道は、どこへ向かう列車だったのか

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『銀河ぎんが鉄道てつどうの夜よる』は、ジョバンニとカムパネルラが、星ほしの中なかを走はしる列車れっしゃに乗のる物語ものがたりです。

けれど、この列車れっしゃには、はっきりした終点しゅうてんが書かかれていません。旅たびの中なかで出会であう人ひとたちの言葉ことばと、二人ふたりがたどり着つく別わかれの場面ばめんから、その行ゆき先さきを考かんがえてみます。

ひとりぼっちのジョバンニが、列車れっしゃに乗のるまで

ジョバンニは、病気びょうきのお母かあさんと暮くらしながら、学校がっこうが終おわると働はたらいています。遠とおくへ出でたまま帰かえらないお父とうさんのことでからかわれ、ケンタウル祭さいの夜よるも、ひとりで丘おかへ走はしっていきました。

草くさの上うえで星空ほしぞらを見上みあげていると、「銀河ぎんがステーション」という声こえが聞きこえます。気きがつくと、ジョバンニは銀河ぎんがを走はしる小ちいさな列車れっしゃの中なかにいました。

向むかいの席せきには、昔むかしはよく遊あそんだカムパネルラが座すわっています。二人ふたりは、光ひかる天あまの川がわや宝石ほうせきのような河原かわらを眺ながめながら、列車れっしゃの旅たびを始はじめます。

途中とちゅうから乗のってきた人ひとたち

旅たびの途中とちゅう、若わかい青年せいねんと、小ちいさな姉弟きょうだいが列車れっしゃに乗のってきます。三さん人にんは、乗のっていた船ふねが氷山ひょうざんにぶつかって沈しずみ、海うみに投なげ出だされたあとで、この列車れっしゃにいたと話はなします。

そして、先さきに亡なくなったお母かあさんのいる天国てんごくへ向むかっていると言いいます。

この話はなしを聞きくと、銀河ぎんが鉄道てつどうはただ美うつくしい景色けしきを見みるための列車れっしゃではないように見みえてきます。そこには、もう生いきている世界せかいには戻もどれない人ひとたちも乗のっているのです。

駅えきで別わかれを告つげる人ひとたち

列車れっしゃは、大おおきな十字架じゅうじかが輝かがやく駅えきに止とまります。青年せいねんと姉弟きょうだいは、ジョバンニたちに「さよなら」を言いって、列車れっしゃを降おります。

三さん人にんにとっては、そこが向むかう場所ばしょだったのでしょう。ジョバンニは、別わかれを告つげる三さん人にんを見送みおくることができました。

銀河ぎんが鉄道てつどうは、みんなを同おなじ場所ばしょへ運はこぶ列車れっしゃではないのかもしれません。一人ひとりひとりが、それぞれの行いくべき場所ばしょへ向むかう列車れっしゃだと考かんがえることができます。

カムパネルラだけが、消きえてしまう

三さん人にんが降おりたあと、ジョバンニはカムパネルラと、どこまでも一緒いっしょに行いこうとします。けれど、ジョバンニが振ふり返かえると、カムパネルラはいなくなっていました。

カムパネルラは駅えきで降おりたのではありません。走はしる列車れっしゃの中なかから、さよならも言いわずに消きえました。

その直後ちょくご、ジョバンニは現実げんじつの丘おかで目めを覚さまします。そして町まちへ戻もどると、カムパネルラが川かわに落おちたザネリを助たすけ、戻もどってこなかったことを知しります。

二人ふたりの旅たびは、ずっと一緒いっしょにいるための旅たびではなく、別々べつべつの世界せかいへ進すすむ前まえの、最後さいごの旅たびだったのかもしれません。

ジョバンニは、生いきている世界せかいへ戻もどる

カムパネルラが、お母かあさんのいる場所ばしょへ向むかったように見みえる一方いっぽうで、ジョバンニは、病気びょうきのお母かあさんが待まつ家いえへ走はしり出だします。

ジョバンニが抱かかえている牛乳ぎゅうにゅうは、まだ温あたたかいままです。銀河ぎんが鉄道てつどうの不思議ふしぎな旅たびを終おえたあとも、ジョバンニには、今いまいる世界せかいでしなければならないことがあります。

『銀河ぎんが鉄道てつどうの夜よる』は、美うつくしい宇宙うちゅうの物語ものがたりであると同時どうじに、大切たいせつな人ひとと別わかれ、自分じぶんの世界せかいへ戻もどる物語ものがたりでもあります。

考かんがえてみたい問とい

問とい 考かんがえる手てがかり
銀河ぎんが鉄道てつどうは、どこへ向むかう列車れっしゃだったと思おもう? 乗客じょうきゃくたちがどこで、どのように降おりたかをたどる
カムパネルラとジョバンニは、なぜ同おなじ場所ばしょへ行いけなかったのだろう? 二人ふたりに見みえていたものと、戻もどる場所ばしょを比くらべる
ジョバンニは、なぜ牛乳ぎゅうにゅうを持もって家いえへ走はしったのだろう? 旅たびのあとに待まっている現実げんじつを考かんがえる

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