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『不思議の国のアリス』意味不明な世界には、どんな意味がある?

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『不思議ふしぎの国くにのアリス』には、変へんなことが次々つぎつぎに起おこります。

ポケット時計とけいを持もった白しろウサギ。大おおきくなったり小ちいさくなったりする飲のみ物ものや食たべ物もの。答こたえのないなぞなぞ。理由りゆうもよく分わからないまま「首くびをはねろ」と言いう女王じょおう。

アリス自身じしんも、何なん度ども「意味いみわかんない」と思おもいます。

けれど、この物語ものがたりは、ただ意味いみのないことを並ならべた話はなしなのでしょうか。アリスの目めに映うつる大人おとなたちの世界せかいだと考かんがえると、少すこし違ちがった見みえ方かたがしてきます。

ルールがあるのに、理由りゆうは教おしえてくれない

アリスが穴あなの中なかに入はいると、そこには小ちいさなドアと金きんの鍵かぎがあります。庭にわへ行いくためには、小ちいさくならなければなりません。

飲のみ物ものには「のんで」、ケーキには「たべて」と書かかれています。アリスは少すこし怪あやしみながらも、そのとおりにします。

すると体からだの大おおきさが変かわり、さっきできなかったことが急きゅうにできたり、今度こんどは別べつのことができなくなったりします。

アリスの世界せかいには、たしかにルールがあります。でも、なぜそうしなければならないのか、だれもきちんと説明せつめいしてくれません。

子こどもが大人おとなの世界せかいで出会であう決きまりごとも、ときにはこんなふうに見みえるかもしれません。「そういうものだから」と言いわれても、理由りゆうが分わからないまま守まもらなければならないことがあるからです。

話はなしているのに、話はなしが通つうじない

毛虫けむしはアリスに「お前まえはだれだ?」とたずねます。けれど、アリスは大おおきくなったり小ちいさくなったりして、自分じぶんが自分じぶんではないように感かんじています。

「わからない」と正直しょうじきに答こたえているのに、毛虫けむしはそれで話はなしを終おわらせようとします。

帽子ぼうし屋やや三月さんがつウサギとのお茶ちゃ会かいも同おなじです。なぞなぞを出だしておいて答こたえはない。時間じかんとけんかをしたから、ずっとお茶ちゃの時間じかんだと言いう。アリスが「それはおかしい」と思おもっても、相手あいては気きにしません。

言葉ことばは交かわしているのに、話はなしはなかなか前まえに進すすみません。アリスが困こまっていることよりも、相手あいての決きまりや気分きぶんのほうが優先ゆうせんされているように見みえます。

「どっちでもいい」と言いわれても、アリスは困こまる

チェシャ猫ねこに、どちらへ行いけばよいか聞きくアリス。すると猫ねこは、「どこへ行いきたいか決きめていないなら、どっちでもいい」と答こたえます。

言葉ことばだけを見みれば、もっともな答こたえです。

でも、アリスが知しりたかったのは、正ただしい言葉ことばではなく、困こまっている自分じぶんを少すこし助たすけてくれる答こたえでした。

大人おとなは、正論せいろんを言いっているつもりでも、子こどもが本当ほんとうに聞ききたいことを受うけ取とれていないことがあるのかもしれません。チェシャ猫ねこの答こたえは、アリスにとっては役やくに立たたないのです。

女王じょおうの裁判さいばんは、最初さいしょからおかしい

物語ものがたりの終おわりに出でてくる裁判さいばんでは、証人しょうにんが何なにも覚おぼえていなかったり、証言しょうげんをしなかったりします。証拠しょうこもはっきりしないのに、女王じょおうは怒鳴どなり、すぐに「首くびをはねろ」と命めいじます。

それでも、まわりの人ひとたちは女王じょおうの言葉ことばに従したがっています。

アリスはとうとう、「この裁判さいばん、おかしい」と口くちにします。話はなしがめちゃくちゃで、最初さいしょから決きめつけられていることに気きづいたからです。

ここでは、大人おとなたちが作つくったらしい立派りっぱな仕組しくみが、実じつはだれも納得なっとくできるものではないことが見みえてきます。決きまりや肩書かたがきがあっても、それだけで正ただしいとは限かぎりません。

アリスは、変へんな世界せかいにのみこまれない

不思議ふしぎの国くにでは、アリスも何なん度ども迷まよいます。泣ないたり、腹はらを立たてたり、「もうわからない」と言いったりします。

それでも最後さいごには、トランプの兵隊へいたいたちを見みて、「ただのトランプじゃん」と言いいます。

こわそうに見みえた世界せかいを、少すこし離はなれて見直みなおした瞬間しゅんかんです。女王じょおうや裁判さいばんの力ちからに、ずっと従したがわなければならないわけではないと気きづいたのです。

『不思議ふしぎの国くにのアリス』の意味いみ不明ふめいさは、子こどもの目めに映うつった大人おとなの世界せかいのおかしさなのかもしれません。分わからないことを「分わからない」と言いい、おかしいことを「おかしい」と言いうアリスの姿すがたが、この物語ものがたりをただの変へんな夢ゆめで終おわらせていません。

考かんがえてみたい問とい

問とい 考かんがえる手てがかり
アリスがいちばん「意味いみわかんない」と感かんじた場面ばめんはどこだろう? 毛虫けむし、お茶ちゃ会かい、女王じょおうの裁判さいばんなどを思おもい出だす
チェシャ猫ねこの「どっちでもいい」という答こたえは、本当ほんとうに正ただしいだろうか? 言葉ことばとして正ただしいことと、助たすけになることを比くらべる
女王じょおうの裁判さいばんのどこがおかしいと思おもう? 証拠しょうこ、証人しょうにん、女王じょおうの命令めいれいに注目ちゅうもくする
アリスは最後さいごに、何なにに気きづいたのだろう? 「ただのトランプじゃん」という言葉ことばを考かんがえる

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