親子で一緒に楽しめる物語を――『ミアとハルン』に込めた思い

『ミアとハルン』は、子どもだけのための物語ではありません。
子どもも大人も、同じ物語を読みながら、一緒にワクワクしたり、考えたり、感じたことを話したりできる。そんな物語にしたいと思っています。
物語を読む時間が、親子にとって楽しい時間になること。
それが、『ミアとハルン』で大切にしていることの一つです。
簡単に読めるけれど、心に残る物語
『ミアとハルン』は、一見すると、二人の子どもが冒険をしていく楽しい物語です。
けれど、その中には、子どもにも大人にも通じる、少し深いテーマを込めています。
登場人物の気持ちを考えたり、
「自分だったら、どうするだろう」と想像したり、
読み終わったあとにも、誰かと話したくなったり。
子どもは、冒険そのものを楽しむことができます。
そして大人は、物語の奥にある登場人物の思いや、子どもを見守る先生の気持ちにも目を向けることができます。
同じ物語を読んでいても、子どもと大人では、心に残る場面が違うかもしれません。
だからこそ、読み終わったあとに、
「どこがおもしろかった?」
「あのとき、ミアはどんな気持ちだったと思う?」
「自分だったらどうする?」
と、親子で話す時間が生まれます。
物語の中に少し厚みがあることで、読む人によって違う楽しみ方ができる。そんな作品を目指しています。
「一冊読めた」という喜びを感じてほしい
『ミアとハルン』は、一つのお話を一話完結で読むことができます。
一話の長さは、六千字から七千字ほどです。
本を読むことに慣れている子はもちろん、これから読書を始めようとしている小学生にも、最後まで読み切りやすい長さを意識しています。
長い本を見ると、読む前から「自分には無理かもしれない」と感じてしまう子もいます。
けれど、一つのお話を最後まで読むことができれば、
「読めた!」
「おもしろかった!」
「次のお話も読んでみたい!」
という気持ちが生まれます。
この「一冊を読み切れた」という経験は、子どもにとって大きな自信になります。
読書を好きになるためには、難しい本を無理に読むことよりも、まずは一つの物語を楽しく読み終えることが大切だと考えています。
挿絵と一緒に、物語の世界へ
『ミアとハルン』には、挿絵もたくさん入れています。
文章を読むことが少し苦手な子でも、絵を見ながら場面を想像し、物語の世界に入っていけるようにするためです。
今、どんな場所にいるのか。
ミアとハルンは、どんな表情をしているのか。
これから、何が起こりそうなのか。
文章と挿絵を行ったり来たりしながら読むことで、物語をより身近に感じることができます。
挿絵は、文章を読むための手助けであると同時に、想像を広げる入り口でもあります。
本を読むことが得意な子も、少し苦手な子も、それぞれの楽しみ方で物語に入ってほしいと思っています。
子どもは二人と一緒に。大人は先生の目線から
子どもたちには、ミアやハルンと一緒に冒険をしているような気持ちで読んでもらいたいと思っています。
二人と一緒に驚いたり、迷ったり、考えたりしながら、物語の世界を思いきり楽しんでほしいです。
そして大人には、ミアとハルンを見守る先生の目線からも、物語を味わってもらいたいと思っています。
子どもが何を考え、どのように成長していくのか。
子どものそばにいる大人は、どのように見守り、どんな言葉をかけることができるのか。
物語の中にいる先生の姿を通して、そんなことも感じてもらえたらうれしいです。
子どもと大人が、それぞれ違う登場人物の目線で物語を楽しむ。
そして読み終わったあとに、お互いが感じたことを話してみる。
そこには、正解も不正解もありません。
「私はこう思ったよ」
「ぼくは、ここがおもしろかった」
そんな会話が生まれること自体が、物語を一緒に読む楽しさなのだと思います。
ミアとハルンの冒険を、一緒に
これから、ミアとハルンは、さまざまな出来事に出会い、たくさんの冒険をしていきます。
楽しいことばかりではなく、ときには悩んだり、立ち止まったりすることもあるでしょう。
けれど、その一つひとつを、読んでくださる皆さんにも一緒に感じてほしいと思っています。
子どもは、ミアとハルンの隣に立って。
大人は、二人をそっと見守りながら。
親子で同じ物語を読み、笑ったり、驚いたり、考えたりする。
『ミアとハルン』が、そんな時間をつくる物語になれば、とてもうれしいです。
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